今日の国際ニュース

Visaの取引が増えています。

2024年度第3四半期、Visaの純収益は89億ドル。前年同期比で10%増えました。

同じ四半期の決済取扱量は前年同期比7%増、Visaが処理した取引件数は10%増。国境をまたぐ取引量も14%増えています。

デジタル決済の利用が増えていることは分かります。

でも、ここから「決済市場が伸びるなら、そこにいる会社はみんな同じように儲かる」と考えるのは少し早いです。

ここに注目した

私たちがカードで100円を払ったとします。

その100円が、そのままVisaの売上になるわけではありません。

商品を販売した店があります。

カードを発行した金融機関があります。

加盟店側の決済を支える会社があります。

取引をつなぐネットワークがあります。

それぞれが別の役割を持ち、別の方法で収益を得ます。

Visa自身も、ネットワーク利用を支えるサービス、取引処理、国際取引など複数の収益源を持っています。

一つの100円が動くだけでも、その周りには複数のビジネスがあります。

ひまりのメモ
ひまりのメモ帳

目の前の値動きだけで一喜一憂せず、このニュースを「構造」「本丸」「長期」の視点から、長い時間軸で見るのがポイントです。

なぜ重要なのか

成長市場の記事では、まず大きな数字が出ます。

AI市場が何兆円になる。

防衛費が何兆円に増える。

訪日客が何千万人になる。

キャッシュレス比率が何%になる。

でも、それは「市場の大きさ」です。

投資家が次に知りたいのは、その市場で生まれた利益を誰が受け取るかです。

この「産業全体の中で、どこに利益が集まるのか」を利益プールと考えると分かりやすくなります。

市場が急拡大していても、競争が激しく値下げばかりしている会社には利益が残らないことがあります。

反対に、取引を必ず通らなければならない場所、簡単に代替できない技術、顧客が離れにくい仕組みを持つ会社には、比較的大きな利益が残ることがあります。

市場の成長率と、その会社の利益成長率は別の数字です。

初心者は何を理解すればいいか

大きなテーマを見つけたら、まず「誰が参加しているか」を横に並べます。

たとえば旅行なら、航空会社、ホテル、予約サイト、クレジットカード会社があります。

AIなら、モデル会社、GPU、半導体製造、メモリ、データセンター、電力、冷却があります。

防衛なら、政府、元請け企業、部品会社、素材会社があります。

次に見るのは「誰に売上が立つか」だけではありません。

その売上からコストを引いたあと、誰に利益が残りやすいかです。

ここまで見て初めて、成長市場と投資先の候補がつながります。

今日、投資行動を変える必要は?

ありません。

Visaの取引量が増えたからVisaを買う、という話ではありません。

見るべきなのは、取引量が増え続けるか。

その中でネットワークの役割が維持されるか。

競争や規制で取り分が変わらないか。

顧客に提供している価値が弱くならないかです。

大きな市場を見つけたあとに、「利益は誰のところで止まるのか」と一段深く考えます。

5分で分かるまとめ

  • 市場が伸びても、業界の会社すべてが同じように儲かるわけではない
  • Visaの純収益は89億ドルで前年同期比10%増だった
  • 決済取扱量、処理件数、クロスボーダー取引量も増えた
  • 一つの取引には販売会社、金融機関、決済会社など複数の企業が関わる
  • 市場全体で生まれる利益と、企業ごとの取り分を分けて考える
  • 長期投資では「大きな市場」より「利益が残る場所」を探す

寄り道コンテンツ

人気の旅行先で、誰が一番儲かる?

ある街に観光客が急増したとします。

ホテルの客室料金が上がる。

航空券が売れる。

予約サイトの利用も増える。

カード決済も増える。

でも、観光客が使ったお金が全員に同じ比率で残るわけではありません。

私は「人が増えた」というニュースを見たあと、次に「このお金は最後に誰の利益になる?」と考えたいと思います。

本記事は投資の考え方を学ぶための一個人の見解です。特定の企業、銘柄や投資行動を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

このニュースをもう一歩理解する

市場が成長すれば、その業界の会社はみんな儲かりますか?

いいえ。需要が増えても価格競争が激しい会社やコスト負担が重い会社では利益が残らないことがあります。成長したお金を誰が受け取るかを見る必要があります。

利益プールとは何ですか?

ある産業や取引の中で最終的に生まれる利益の総量と、その利益がどの企業や事業に分配されているかを捉える考え方です。

利益の取り分が大きい会社はどう見分けますか?

顧客が簡単に離れられないか、代替が少ないか、価格を決める力があるか、追加売上に対してコストが増えにくいかなどを確認します。