今日の国際ニュース

出典:The New York Times (World/Asia)(https://www.nytimes.com/2025/07/20/world/asia/japan-parliamentary-elections-exit-polls.html)

金利や税金のニュースは、むずかしい言葉が並びます。でも最後に動くのは、私たちの財布と企業のお金です。

7月20日の参院選で、自民党と公明党の連立は改選66議席のうち19議席を失い、非改選議席を合わせても衆参両院で少数与党に転落した。石破首相は敗北を認めながらも、対米関税交渉という「国家への責任」を理由に続投を表明した。

敗因として語られているのは、コメなど生活必需品の値上がり、対米関税交渉の停滞、そして高齢化に伴って現役世代にのしかかる負担増です。投票所で有権者が語った言葉はもっと単純でした。物価は上がっているのに、収入は増えない。この一言に、今回の選挙結果の本質が集約されている。

ここに注目した

ニュースの見出しだけを追うと、今回の結果は物価高に対する抗議投票という一段階の因果で片づけられてしまう。しかし、賃金が物価に追いつかないという現象は、個別の値上げや関税交渉の失敗が積み重なって生まれたものではありません。

家計簿で大切なのは『節約する』という宣言ではなく、月末にお金が残ったかどうかです。国や企業の数字も、宣言と結果を分けて見ます。

企業がため込んだ利益を賃金として十分に還元せず、家計に回るはずのお金が滞留し続けてきた分配構造そのものの歪みが、選挙という形で表面化しただけです。物価高はきっかけであって、原因ではありません。

この歪みへの不満の受け皿になったのが、参政党と国民民主党という新興のナショナリスト政党でした。国民民主党は改選13議席を積み増して22議席に、参政党も同じく13議席を増やして15議席とし、いずれも国防力の強化と消費税減税を公約に掲げていた。

ひまりのメモ
ひまりのメモ帳

目の前の値動きだけで一喜一憂せず、このニュースを「国家戦略」「経営者を見る」「流動性」の視点から、長い時間軸で見るのがポイントです。

なぜ重要なのか

ここで投資家が注意すべきなのは、政府支出が増える即ち企業の利益が増える、企業の利益が増える即ち株価が上がる、という単純な図式ではないという原則です。今回の公約は、有権者の不満という着火剤が政治的な公約に変換された段階に過ぎない。

国防費拡大にしても消費減税にしても、まだ予算編成、調達契約、受注という次の段階には進んでいない。防衛関連企業の受注残や生産能力にどう波及するかは、今回のソースからは一切確認できず、断定はできない。財務省や防衛省の予算編成資料で今後の調達契約の中身を確認する必要があります。

さらに重要なのは、消費税減税が仮に実現した場合、その財源をどこに求めるかという分岐点です。国債の増発で穴埋めするのか、他の歳出を削るのか。前者であれば金利上昇を通じて企業の資金調達コストや家計の住宅ローン負担に跳ね返る可能性があるし、後者であれば別の分野の需要が細る。

財源の選択によって、企業の手元に入るお金への波及経路はまったく異なる。この選択がどちらに転ぶかは、今後の与野党協議と財務省試算を見なければ分からない。

二次的な影響として考えられるのは二つある。一つは、石破首相の去就をめぐる政治的な停滞が対米関税交渉を長期化させ、企業の設備投資判断を先送りさせる可能性。もう一つは、少数与党という状況で大型の補正予算が通しにくくなり、財政拡張のペース自体が鈍る可能性です。

ただし、これらはいずれも今回のソースに直接の裏付けがあるわけではなく、推論の域にとどめておくべきです。

初心者は何を理解すればいいか

ここは、三つに分けると分かりやすくなります。

この分配構造の歪みが政治不安定の主因だという見立てにも反証条件があります。石破首相なり後継者なりが対米関税交渉を早期にまとめ、物価高への不満が短期間で沈静化すれば、この見立ての説明力は弱まる。

あるいは連立協議の中で消費減税や防衛費拡大の公約が大幅に後退し、いずれも実現しなければ、今回の選挙結果は一時的な感情の発露だったということになります。

投資家がこれから確認すべき変数は三つに絞られる。消費税減税が実際の税制改正として具体化するかどうか。防衛予算の増額が実際の調達契約として防衛関連企業の受注残に反映されるかどうか。そして、賃金上昇率から物価上昇率を引いた実質賃金のトレンドが、政権の枠組みが変わった後に改善するかどうかです。

株価や資金フロー、国債投じたお金に対する収益の割合や為替の反応については、今回のニュースソースには一切データがない。これはもう起きたこととして書くのではなく、これから自分で確認すべきこととして投資家自身が追いかける必要があります。

今日、投資行動を変える必要は?

ありません。今日学びたいのは、銘柄ではなくニュースの見方です。

投票所で収入は増えないのに物価だけ上がると語った有権者や、コメの価格政策の一貫性のなさに苛立って自民党から参政党へ乗り換えた不動産会社経営者の言葉に戻りたい。

この選挙結果を見て、参政党や国民民主党が伸びているから、これから防衛関連株や消費関連株が買われるはずだと考えるとしたら、それはHimariが最も警戒する投資の姿勢です。

有名だから、みんなが支持しているから、株価が上がりそうだから、という理由で銘柄を選ぶのは、選挙の熱狂を株式市場の熱狂に置き換えただけに過ぎない。

大事なのは、国防費拡大という公約が本当に防衛関連企業の受注残と生産能力の拡大に転化するのか、その受注が実際の利益率改善につながるのか、そして財源として選ばれる手段が企業の手元に入るお金や金利環境をどう変えるのか、その事業の本質と資金の流れを自分の頭で理解できるかどうかです。

シンプルに腹落ちするビジネスの構造がそこにあるのか、経営者や政策担当者がその資金をどう使うつもりなのでしょうか。それが見えないうちは、政治的な公約の見出しだけで投資判断を下すべきではありません。

長期投資というのは、今回のような政治ニュースに一喜一憂して持ち高を動かすことではありません。

もし防衛関連株や消費関連企業に投資する理由があるとすれば、それは国防費が増えそうだからでも消費減税が話題になっているからでもなく、その企業が実際に受注を積み上げ、価格転嫁力を持ち、財源の変化にも耐えられる財務基盤を持っているかどうかのはずです。

逆に言えば、投資を続ける理由は、当初に理解した事業の本質が壊れていない限り変える必要はない。今回の選挙結果が教えてくれるのは、次に何が流行るかを当てることではなく、政治の熱狂と企業の実態を切り分ける物差しを持ち続けることの大切さです。

5分で分かるまとめ

  • 今回のニュースは「参院選が映した「分配の歪み」——国防費拡大と消費減税という公約を投資家はどう読むか」です。見出しだけで投資判断はしません。
  • 7月20日の参院選で、自民党と公明党の連立は改選66議席のうち19議席を失い、非改選議席を合わせても衆参両院で少数与党に転落した。
  • 二次的な影響として考えられるのは二つある。
  • 長期投資というのは、今回のような政治ニュースに一喜一憂して持ち高を動かすことではありません。
  • 今日すぐに投資行動を変える必要はありません。数字と構造を定点観測します。
  • 最後は、その事業と経営者に共感でき、自分の言葉で腹落ちするかを確かめます。

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金利やGDPは遠い話に見えます。でも住宅ローン、商品の値段、会社の借入費用へつながっています。難しい数字ほど『誰の支払いが増えるの?』と聞くと、少し身近になります。

栄枯盛衰、諸行無常。今日の人気が、10年後も続くとは限りません。だから私は、値動きより事業と経営者を見ます。自分で腹落ちするものを、長い時間軸で考えていきましょう。