今日の国際ニュース

アメリカの関税が厳しくなる、というニュースを耳にすることが増えました。

ユニクロを運営するファーストリテイリングが、今期下期の利益予想を約7000万ドル引き下げたというニュースがあります。理由は、生産拠点である中国、ベトナム、インドネシア、インドも軒並み追加関税の対象になっていることです。

これを受けて、日本銀行も2025年度の成長率予測を、これまでの1.1%から0.5%へと、ほぼ半分に下方修正しました。

「アメリカが関税を上げたから、世界経済が冷え込んで、日本の景気も悪くなるんだな」

ニュースを表面だけ読めば、そんな風に感じるのが自然ですよね。でも、私はこのニュースを見て、少し違う違和感を覚えました。

ここに注目した

私が気になったのは、「関税が原因で景気が悪くなった」という結果そのものではなく、その裏側にある「日本企業の体質」です。

たとえるなら、これは「急に降ってきた大雨(関税)」のせいだけではないのかもしれません。

もし、家の屋根がもともと古くて、雨漏りしやすい状態だったらどうでしょう? 大雨が降ったときに「雨のせいだ!」と責めるのは簡単ですが、本当に問題なのは、雨が降る前から屋根を直していなかったこと、つまり「雨に弱い構造」そのものにあるのではないでしょうか。

ひまりのメモ
ひまりのメモ帳

目の前の値動きだけで一喜一憂せず、このニュースを「構造」「長期」の視点から、長い時間軸で見るのがポイントです。

なぜ重要なのか

今回の関税ショックは、日本経済にとっての「大雨」のようなものです。しかし、日本経済の屋根(土台)は、関税が来る前からすでに、少し脆くなっていたように見えます。

実は、日本の成長率は関税のニュースが出る前から、すでに鈍くなっていました。物価上昇が賃金上昇を上回る状態が続き、消費者は財布のひもを緩めなかったのです。

ユニクロの利益が下がった理由も、単に関税コストが増えたからだけではありません。「コストが増えた分を、商品の値段に上乗せして、お客さまに納得してもらう」という、値上げの力が弱まっていることの表れかもしれません。

企業が、コストが増えても値上げを避け、収益を現預金として抱え込んでしまう。こうした「変化を避ける姿勢」こそが、外部からのショックに対して、日本企業を弱くしている本当の原因ではないか、と私は考えています。

初心者は何を理解すればいいか

難しい話をシンプルにすると、次の2点だけ押さえておけば大丈夫です。

1. 「外のせい」にする前に「中」を見る関税や戦争といった「外の世界の出来事」は、誰にもコントロールできません。投資家として大切なのは、その出来事が起きたときに「その企業は、自分たちの力で乗り越えられるか?」を見ることです。2. 「価格決定力」という言葉を覚えておくこれは、「値段を上げても、お客さまが『それでもこれが欲しい』と言ってくれる力」のことです。この力がある企業は、関税などのコスト増があっても、それを価格に転嫁して生き残ることができます。

今日、投資行動を変える必要は?

結論から言うと、今日、慌てて株を売ったり買ったりする必要はありません。

今回のニュースは、あくまで「予測」や「見通し」の話です。大切なのは、これから発表される企業の決算や、会社が実際に「値上げ」や「賃上げ」をどれくらい実行できるかという「結果」を、ゆっくり眺めていくことです。

もし、あなたが持っている株が「関税のせいで大変だ」と言い訳ばかりして、何も変わらないようなら、それは少し注意が必要かもしれません。

5分で分かるまとめ

  • アメリカの関税強化により、ユニクロなどの企業の利益予想が下がった。
  • 日銀も、日本の成長率予測を半分近く(1.1%→0.5%)に引き下げた。
  • 問題は「関税」そのものよりも、コスト増を価格に反映できない「日本企業の体質」にある。
  • 投資家は、企業が「値上げしてもお客さまが離れない力(価格決定力)」を持っているかを見極めることが大切。

寄り道コンテンツ:投資家としての「心の持ちよう」

ニュースで大きな数字や、暗い予測が出てくると、つい「今すぐ逃げなきゃ!」と焦ってしまうことがありますよね。

でも、長期投資において大切なのは、ニュースの「一喜一憂」ではなく、そのニュースが「その企業の価値を根本から壊すものかどうか」を冷静に見極めることです。

「関税が上がったからダメだ」と決めつけるのではなく、「この会社なら、この状況でも新しい工夫をして利益を守れるだろうか?」と、少し高い視点から眺めてみる。そんな余裕を持つことが、長く投資を楽しむコツですよ。

このニュースをもう一歩理解する

関税のニュースが日本経済に与える具体的な影響は何ですか?

アメリカの関税強化により、生産拠点を置く国々への追加関税が発生します。これによりファーストリテイリングの利益予想が下がったほか、日本銀行が2025年度の成長率予測を1.1%から0.5%へ引き下げるなど、景気への悪影響が懸念されています。

「価格決定力」とはどのような意味ですか?

値段を上げても、顧客が「それでもこれが欲しい」と言ってくれる力のことです。この力を持つ企業は、関税などのコスト増が発生しても、それを価格に転嫁して収益を維持し、生き残ることができます。