今日の国際ニュース

アメリカのオフィスビルが、今とても難しい状況にあります。

「リモートワークが当たり前になったから、会社に行く必要がなくなった」そんなニュースをよく耳にしますよね。実際に、2023年第3四半期の全米のオフィス空室率は19%を超えていて、これは1991年の記録的水準に迫る深刻な水準です。

でも、ニュースをパッと見ただけだと、「不動産投資はもう終わりなんだな」と、ひと括りに結論を出してしまいそうになります。実は、そこには少し注意が必要な「数字の落とし穴」があるんです。

ここに注目した

私がこの記事を読んで、一番「なるほど」と思ったのは、フロリダ州ボカラトンの、ある古いIBMのキャンパス(敷地)のお話です。

かつては1万人もの技術者が働いていた巨大な施設が、今は少し寂しい姿を見せていました。でも、その持ち主であるCP Groupは諦めていませんでした。彼らはその場所に、フィットネスセンターを作ったり、飲食・小売へのアクセスを良くしたりして、「わざわざここに来たくなる場所」へと作り変えていったんです。

その結果、物件の名前をBoca Raton Innovation Campusと変え、リース率は取得当初の70%から現在は90%まで上昇しました。

ひまりのメモ
ひまりのメモ帳

目の前の値動きだけで一喜一憂せず、このニュースを「構造」「長期」の視点から、長い時間軸で見るのがポイントです。

なぜ重要なのか

ここで考えてみたいのは、「空室率」という数字の正体です。

例えば、ある街の「平均気温」が20度だったとします。でも、実際には「氷点下の場所」と「40度の場所」が混ざっているかもしれません。それなのに「平均20度だから、過ごしやすい街だね」と言うのは、少し無理がありますよね。

今のオフィス市場もこれと同じです。新規供給が旺盛で空室率が上昇しているダラスやオースティンのような市場と、供給を絞りながら再投資でテナントを引き寄せるマイアミのような市場が、一つの「全米平均19%」という数字にまとめられてしまっています。

マイアミのように、持ち主が「ただ箱を貸す」のではなく、「そこで過ごす体験」にお金を使い、価値を高めようとしている場所は、全体の景気が悪くても生き残る力を持っています。

初心者は何を理解すればいいか

もし皆さんが、ニュースで「○○業界が不況だ」「不動産が危ない」という言葉を聞いたら、次の二つの視点を持ってみてください。

1. 「量」ではなく「質」を見る「空いている部屋がどれくらいあるか(量)」だけでなく、「そこにどんな人が集まっているか(質)」が大切です。例えば、マイアミ・デード郡のように、特定の一業種に依存せず、多様な産業から企業を引き寄せている場所は、一つの業界がダメになっても揺らぎにくい、強い場所といえます。

2. 「中身」にお金が使われているかを見るその会社や資産の持ち主が、稼いだお金を「新しい価値を作るため(アメニティへの再投資など)」に使っているか、それとも「ただ借金を返すため」だけにしているか。前者は成長の種になりますが、後者はただの延命措置かもしれません。

今日、投資行動を変える必要は?

結論から言うと、今日、何かを買ったり売ったりする必要はありません。

今回のニュースは、「世の中の平均的な数字」に惑わされず、「その中身がどう変化しているか」を見極めることの大切さを教えてくれています。

もし皆さんが投資をされているなら、持っている銘柄や興味のある分野が、「流行りに乗っているだけ」なのか、それとも「独自の価値を積み上げているのか」を、少しだけ意識してみると面白いかもしれません。

5分で分かるまとめ

  • 全米のオフィス空室率は19%を超え、1991年の水準に迫る深刻な状況にある。
  • でも、マイアミのように「工夫して価値を高めている場所」は例外的に強い。
  • 「空室率」という平均値だけで、性質の異なる市場を判断するのは危険。
  • 大切なのは、持ち主が「稼いだお金を、新しい価値(体験など)に再投資しているか」を見ること。
  • 流行や数字の表面だけではなく、ビジネスの「中身」を見ることが長期投資のコツ。

寄り道コンテンツ:アメニティって何だろう?

記事の中で「アメニティ(amenity)」という言葉が出てきました。投資や不動産の文脈では、「そこにあると生活や仕事が便利で快適になる設備やサービス」のことを指します。

例えば、オフィスビルにおけるアメニティなら、・仕事の合間にリフレッシュできるフィットネスセンターやウェルネスルーム・手軽にランチが食べられる飲食・小売施設・ちょっとした打ち合わせができるラウンジなどが当たります。

昔のオフィスは「机と椅子がある場所」でしたが、今は「アメニティが充実して、行きたくなる場所」へと価値の基準が変わってきているんですね。

このニュースをもう一歩理解する

全米のオフィス空室率は現在どのような状況ですか?

2023年第3四半期の全米のオフィス空室率は19%を超えており、これは1991年の記録的水準に迫る深刻な状況です。ただし、地域によって供給状況や市場の性質は大きく異なります。

空室率が高い中でも生き残るオフィス物件にはどのような特徴がありますか?

単に場所を貸すだけでなく、フィットネスセンターや飲食施設などのアメニティを充実させ、「わざわざ行きたくなる体験」を提供するために再投資を行っている物件は、高い価値を維持しやすい傾向にあります。